Inkscapeの基本操作と便利な使い方

inkscape ソフトウェア

Inkscapeとは?

特徴

  • 無料(オープンソースなので商用利用もOK!)
  • ベクターグラフィック編集ソフト
    • SVG(Scalable Vector Graphics)形式を扱うことができる
    • 画像を拡大・縮小しても画質が劣化しない
  • Illustratorに近い機能が使える
    • レイヤーが使える
  • CMYKカラーのサポートが不完全(印刷業務には向かない場合あり)
  • Windows、Mac、Linuxで利用可能

Illustrator の代わりになる?

用途によります。同等のソフトウェアが使いたいだけなら、代わりになると言えます。以下のような特徴があるため、Illustrator の使い方を覚えるとか一部不向きな用途もあります。

  • UIや操作が異なる
  • 印刷用デザイン(CMYKが必要な場合)や高度なデザインではIllustratorの方が便利

おすすめの学習方法

YouTubeで操作動画を視聴(「Inkscape 使い方」などで検索)

知っておくべき設定

最低限必要な設定を紹介します。

ツールバーの位置を変更する

デフォルトではツールバーが右側に配置されていますが、上部に移動した方が便利です。

設定方法
・メニューの 「表示」「ワイド」 のチェックを外す

ドキュメントのプロパティを変更する

制作するものに応じて単位を適切に設定すると、作業しやすくなります。

設定方法

  1. 「ファイル」 → 「ドキュメントのプロパティ」 を開く
  2. 単位を用途に合わせて変更
    • 印刷物(紙)mm(ミリメートル)
    • Webデザインpx(ピクセル)
  3. 必要に応じてページサイズも調整

知っておくべき操作

すぐ忘れてしまう、よく使う操作を書いておきます。

スナップ機能の使い方

オブジェクトの整列を助けるスナップ機能は、用途によってON/OFFを切り替えると便利です。右上の磁石っぽいマークでオンオフできます。詳細を設定して、各スナップ機能を個別にON/OFFすることができます。

サイズ変更時のオブジェクトの縦横比の固定

画像やオブジェクトの拡大縮小するときに、縦横比を変えないためにはタスクバーの鍵マークを選択する

画面の拡大・縮小・移動

  • Ctrl + マウスホイール → 拡大・縮小
  • Ctrl + 右クリック、Shfit + 右クリック → 拡大・縮小
  • 「画面サイズに合わせる」ボタン を押すと全体表示になり、作業範囲を確認しやすい
  • スペースキーを押しながらマウスを移動(※クリック不要。操作を中断せずに画面を移動できる)

オブジェクトの選択

  • F1 選択ツールへのショートカット
  • Shift + クリック → 複数オブジェクトを同時選択
  • グループ化 Ctrl +G
  • グループ化解除 右クリックのメニューから選択

Undo(やり直し)と Redo(元に戻す)

  • Ctrl + Z → 1つ前の操作を元に戻す(Undo)
  • Ctrl + Y → 元に戻した操作を再実行する(Redo)

その他操作

  • 複製 → Ctrl + d :同じ場所に複製される(Ctrl+C, Ctrl+V だと場所が移動する)
  • 水平移動、垂直移動 → Ctrl + ドラッグ
  • 角丸
    • 角をつまんで、Ctrl を押しながら移動させる
    • 角を尖った状態に戻すためには、右下の画像のボタンを押す
  • パスの統合 → 複数のパスを1つにまとめる :メニューからパス –> 統合

編集テクニック

画像サイズの調整

画像サイズを選択したオブジェクトのサイズに変更する

クリッピング

  • 手前に切り取りのサイズのオブジェクトをおく
  • 2つ選択
  • 右クリックして、クリップを設定で切り抜く

以下の画像は左から順に、①画像を重ねたところ、②クリップを設定で切り抜いた状態、③元の画像と組み合わせて色を変えたところ。

画像のストロークの調整

  • フィルストロークを選択し
  • ストーロークのスタイル
  • 順番を設定する!!

グラデーション

  • 決定は、ダブルクリック!!
  • ポイントは追加できる
  • 消えていくグラデーション。片方を×にしておくと透明になる

文字の枠線

  • まずコピー (Ctrl + D)
  • 背面の方の色を変え、ストロークを太くする (ストロークの色を選択するときは Shift を押しながらクリックする)
  • 必要に応じで、ストロークの順番を変える

ベジエツール

  • 途中を曲線にする:クリックして右へドラッグ

高度な編集

オブジェクトをパスへ変換

パス –> オブジェクトをパスへ でパスに変更することで、ノードツールを選択することで細かい編集が可能になる

たとえば、星形のそれぞれの角を移動できるようになる

QRコード生成

    円などの画像の周りに文字を書く

    1. 円やパスなどで文字を添わせたい形を書く
    2. オブジェクトの場合は、パス–> オブジェクトをパスへ を選択してパスにしておく
    3. 文字を書く
    1. Shift キーを押しながら文字とパス(今回は円)を選択する
    2. テキストからテキストをパス上に配置を選択する

    以下のように、文字がパスに沿って配置される。文字の開始位置は、回転で調整可能です。

    1. このまま、パスを削除すると文字が元に戻るので、文字を選択してパスからオブジェクトをパスへを実行しておく。そうすると、円を消しても文字が元に戻らなくなる。

    画像をベクター画像に変換する

    画像を選択した状態で、パス –> ビットマップのトレース を実行する。